介護業界では人材の獲得競争が繰り広げられている。新卒だけでなく中途採用の募集が活発に行われていて、業界経験が全くない方でも採用されやすいのが現状だ。
一般的には中途採用では即戦力が求められるにもかかわらず、このような状況が長らく続いているのには理由がある。よく言われているのが人手不足になっているからというものだが、本当に事実なのかはよく分析してみた方が良いだろう。
確かに現在介護職を求める声は多い。それに対して介護職への転職を決めている方が少ないのも事実だ。しかし、だからといって本当にどこでも人手が不足しているかというとそうとも限らない。
介護職がどれだけ不足しているかは地域によってかなりの差がある。都会では介護施設が充実していて人材獲得にも成功していることが多い。現場の運営が厳しくなるほどに人手不足に悩まされていることはあまり内容に感じる。しかし、地方になると介護のニーズが高いにもかかわらず施設の数も少なく、各施設で働いている従業員も足りなくて困っていることが多いのだ。
また、施設の種類によっても不足の度合いが異なっている。一般的な有料老人ホームなどでは比較的人手が足りているが、訪問介護の担い手は全国的に不足しているのが現状である。自宅で介護を受けたいという人が増えている影響で訪問介護には高いニーズがあるものの、経験やノウハウ、さらには資格も必要であることから担い手があまりいないのが原因だろう。